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地域医療とは、地域医療センターとは


院長 廣田昌彦

本年もどうぞよろしくお願いします。
地域医療構想の策定が始まったことにもよるのでしょう。最近「地域医療」という用語をよく耳にします。当院の名称は「熊本地域医療センター」ですが、病院名にも「地域医療」という言葉が含まれています。「地域医療」、そして「地域医療センター」という病院名について少し考えてみたいと思います。以前、この病院名については、当院の広報誌である「熊本地域医療センターだより」で考察したことがあるのですが、なんと、その記述を大阪商大総合経営学部教授の初谷 勇先生が著書「地域ブランド政策論」の中で参考文献として引用してくださっていました。それで今回もう一度考察してみようと思い立った次第です。
まず、「地域医療」とは何を意味するのでしょうか。プライマリーケア、ご当地医療、生活圏医療、日常生活圏医療、へき地医療、などでしょうか。「熊本地域医療センターだより」では「高度先進医療」に対応する言葉と記載しました。しかし、今ではそれは少し違うぞ。「地域医療」⇔「広域医療」という構図であり、「ご当地医療」や「生活圏医療」がぴったりとあてはまる言葉ではないかと思うに至っています。最近では行政も「ご当地医療」という言葉を使うようになっています。少し長くてもよいなら「住み慣れた地域での医療」でしょうか。
次に、当院は「熊本地域の医療センター」なのでしょうか。それとも「熊本の地域医療を行うセンター」なのでしょうか。病院の英語名は「Kumamoto Regional Medical Center」です。なので「regional」について調べてみました。WHOは1957年にregionalization構想を提唱しています。人口100~400万人を1 regionとし、その中心部に三次医療機能を有するregional hospital、その下に二次医療機能を有する人口25万人を対象としたintermediate hospital、さらに一次医療機能を有する人口2~6万人のlocal hospitalを整備するという構想です。このregionalization構想における、「regional hospital」はそのregionにおける基幹病院であります。当院は、英語病院名からすると、熊本県の基幹病院、すなわち「熊本地域の医療センター」のようです。でもそれだけではなく、我々は、「熊本地域の医療センター」と「熊本の地域医療を行うセンター」の両方の機能を兼ね備えた病院を目指したいと思います。先生方に頼っていただく基幹病院(熊本市医師会の“旗艦”病院)としての機能に加えて、先生方とのしっかりとした病診連携の構築に努め、しっかりとした「ご当地医療」「生活圏医療」「住み慣れた地域での医療」が提供できる体制を構築してまいりたいと思います。
最後に、「熊本地域医療センター」という病院名のポジティブな面をお伝えして終わります。インターネットで「地域医療」を検索してみてください。トップページに「熊本地域医療センター」が表示されます。「熊本地域医療センター」という名称がいかに全国的に知られているのかがおわかりいただけると思います。